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2014.04.22

そんな事を言ってもいいのか

山で知合になった人達が、四五人誘いあわせて出て来てから、父親は一層お島たちのために邪魔もの扱いにされた。  連中のうちには、その頃呼吸器の疾患のため、遊覧旁博士連の診察を受けに来た浜屋の主人もあった。山の温泉宿や、精米所の主人もいた。精米所の主人は、月に一度くらいは急度蠣殻町の方へ出て来るのであったが、その時は上さんと子供をつれて来ていた。  その通知の葉書を受取ったお島は、大きな菓子折などを小僧に持たせて、紋附の夏羽織を着込んで、丸髷姿で挨拶のために、ある晩方その宿屋を訪ねたが、込合っていたので、連中はこの部屋にかたまって、ちょうど晩酌の膳に向いながら、陽気に高談をしていた。 「えらい仕揚げたそうだね。そのせいか女振もあがったじゃねえか。好い奥様になったということ」  精米所の主人は、浴衣がけで一座の真中に坐っていながら言った。 「御笑談でしょう」  お島は初らしく顔の赤くなるのを覚えた。 「お蔭でどうか恁かね。でもまだまだ成功というところへは参りません。何しろ資本のいる仕事ですからね。どうか少しお貸しなすって下さいまし。あなた方はみんな好い旦那方じゃありませんか」  お島はそう言って、自分の来たために一層浮立ったような連中を笑わせた。  夜景を見に出るという人達の先に立って、お島も混雑しているその宿を出たが、別れるときに家の方角を能く教えておいて、広小路まで連中を送った。カーテン オーダー

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